Windows,Mac両対応の外付けGPUボックス(eGPU) Razer Core Xのレビューをします。
同製品はThunderbolt 3接続のeGPUです。
具体的な使用例としてはPCゲームやレンダリング性能の向上(描画支援)などが挙げられます。
わたしはノートPC(Razer Blade Stealth)でPCゲームをプレイするために購入しました。
型番 | RC21-01310100-R3J1 |
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接続 | Thunderbolt 3(40Gbps) |
システム要件 | Windows 10 64 ビット RS1以降、Thunderbolt 3 ポート装備 MacOS High Sierra 10.13.4以降を実行する Mac |
対応するビデオカード(GPU) | 最大 3スロット幅、フルレングス、PCI-Express x16 ビデオカード |
電源 | 650W ※500WまでのGPUに対応 |
USB Power Delivery(ノートPCの電源) | 対応(100W,USB-C) |
サイズ | 168 x 374 x 230mm |
メーカー製品ページ
2020/03/13追記
現在は後継品のRazer Core X Chromaが販売中です。
LEDイルミネーション対応で、電源は700Wになっています。
2021/01/29追記
650W電源搭載のRazer Core X Mercury Whiteが現在販売されています。
こちらはLED非対応モデルで価格も安めです。
Razer Core Xのレビュー
Razer Core Xのパッケージは取っ手つきで、サイズは476 x 236 x 350 mmです。
パッケージのフタを開けるとRazerのロゴが現れます。
本体は結構重いので取り出しにくいです。
逆さにして取り出すことをオススメします。
製品内容(付属品)は下記。
- Razer Core X本体
- 電源ケーブル(140cm)
- Thunderbolt 3ケーブル(45cm)
- 取扱説明書
- ロゴシール
右側面にはロゴ。
こちらはメッシュになっており、ファンが排気を行います。
本体前面の様子。
左側面の様子。
こちらもメッシュですが独立したファンはありません。
ビデオカードのファンによって吸気が行われます。
背面の様子。
左から電源コネクタ、スイッチ、Thunderbolt 3端子となります。
底面にはゴムが貼られており、シリアルナンバーが記載されています。
背面にあるレバーを起こすと、ロックが解除され、引き出せるようになります。
本体内部の様子。
ガワはしっかりしていて、かなり重いです。
本体内部を引き出した様子。
本体内部の俯瞰図。
左奥に電源、右奥に12cmファン、手前にPCI Express x16スロットがあります。
PCI Express x16スロットはレバー有りです。
ビデオカードを取り外す際は、レバーを押す必要があります。
ファンコネクタは3pin。
汎用性があるかはわかりません。
補助電源ケーブルは6 + 2pinが2本です。
ブラケット固定はネジ1本で行います。
ビデオカード(クーラー)は3スロット占有に対応しますが、ブラケット開口部は2スロットです。
ブラケットが3スロットで全てに出力端子がついている場合、干渉する可能性があります。
EVGA GeForce GTX 1080 FTW2を取り付けた様子。
同ビデオカードはブラケットより高さのあるクーラーが採用されていますが、まだ上部に余裕があります。
もしかすると簡易水冷のビデオカードでも収まるかもしれません。
ただ、ラジエーターを上手く固定する工夫が必要です。
仮に取り付けられるとすれば、ラジエーター – フレーム – ファンという形になります。
ビデオカードをネジで固定し、補助電源を挿した様子。
ビデオカードを組み込んだ本体を収める様子。
かならずレバーを寝かし、ロックをしましょう。
Razer Blade StealthとRazer Core Xを接続した様子。
ベンチマーク結果
3D MARK Time Spyを使いベンチマークを行いました。
Razer Core X + EVGA GeForce GTX 1080 FTW2環境でのGraphics scoreは、6321でした。
同じビデオカードをeGPUを使わずにPCへ直接接続した場合のスコアは約7700らしいので、18%程度性能が落ちたことになります。
性能が落ちる理由はThunderbolt 3の速度が40Gbpsだから。
この帯域はPCI Expressのx4相当です。
通常、ビデオカードはPCI Express x16に挿すものなので、x4では速度(帯域)が足らず、その結果性能が落ちます。
消費電力や省電力機能について
消費電力は、GTX 1080環境でアイドル時30W、ロード時250Wでした。
省電力機能も有効で、ビデオカードが使われていない時は動作クロックが落ちます。
ビデオカードのファンが止まる機能も動作します。
Windows 10 + Nvidia環境の場合、ビデオカードが使われているかどうかは、タスクトレイアイコンで確認可能です。
ビデオカードを使用する時に特別な設定を行う必要はありません。
対応ゲームやソフトを起動すると、自動的にビデオカードによる描画・演算が有効になります。
ライティング機能(RGB)について
省電力機能と同様に、ビデオカードのライティング機能も動作します。
Precision X OCなどを使えば、発光パターンの変更や消灯も設定可能です。
長所
- 安い
- 上位モデルのRazer Core V2や他社製品と比べて、だいぶお安いです。
大体3万円台で販売されています。 - 意外と静か
- 搭載ファンの音は少し漏れてきますが、全然気にならないレベルです。
静かなクーラーを搭載したビデオカードを選べば、集中してゲームや作業を行えます。 - 大容量電源を搭載している
- 650W電源を搭載しているので、GTX 1080 Tiなどのハイエンドビデオカードを問題なく使用できます。
- Power Deliveryに対応している
- PD対応なので、ゲームをしながらノートPCの充電を行えます。
電源→Razer Core X→ノートPCという風に接続する形です。
なので、ノートPC側に必要なのはThunderbolt 3端子 1個だけとなります。 - 組み立て方が簡単
- ビデオカードを挿してケーブル類をつなぎ、ドライバーをインストールするだけなので、自作PC経験が無くても簡単に導入できます。
特別な設定は必要ありません。
Nvidia製GPUであれば、GeForce Experienceも使用可能です。
短所
- Macでは制限がある
- ハードウェアの問題なのか、ドライバーの問題なのかは分かりませんが、Macで使えるのはAMD製のビデオカードのみです。
Nvidiaのものは使えません。
※これに関しては他社製のeGPUも同じです。 - 付属のThunderbolt 3ケーブルが短い
- ケーブル長が45cmしかないので机の上に置いているのですが、少し圧迫感があります。
もっと長いケーブルがついていれば、違う設置場所を選ぶことができるので、そうであれば良かったです。
思ったこととか
ベンチマークのところで書いたとおり、Thunderbolt 3の仕様上100%の性能を発揮できません。
次世代の規格(Thunderbolt 4?)が出てくれば変わるのかもしれませんが、現状Thunderbolt 3を搭載したパソコンも少ないですし、まだまだ先になるのかと思います。
少しでもキレイにゲームをしたい方は、自作PCかBTOパソコンがオススメです。
そちらの方が安く済みますし、性能も高くできるので。
まぁ、広めの設置スペースを確保する必要はありますが。
自作PCやBTOパソコンも選択肢に入っている方は下記記事もぜひご覧ください。
PCでゲームをするメリットとデメリット、オススメのゲーミングPC構成を紹介するよ
追記
Thunderbolt 3対応ノートPC Razer Blade Stealth(2018)のレビューも書いているので、合わせてご覧ください。