Seagate IronWolf 8TB ST8000VN0022のレビューをします。
同製品はNASや24時間365日稼働PC向けブランド IronWolfに属するHDDです。
上位のIronWolf Proは5年保証と2年のデータリカバリーサービスが付属するのに対して、IronWolfシリーズは3年保証のみとなります。
記事執筆時点では14TBが最大容量で、他に12TB,10TB,8TB,6TB,4TB,3TB,2TB,1TBモデルが販売中です。
ちなみに一般向けのBarraCudaシリーズは500GB~8TBのラインナップで、2年保証になっています。
※10~14TBのBarraCuda Proは5年保証+データ復旧サービス付
ブランド | IronWolf |
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容量 | 8TB |
型番 | ST8000VN0022 |
インターフェイス | SATA 6Gbps |
対応ドライブベイ数 | 1~8台 |
回転振動(RV)センサー | 対応 ※3TB以下は非対応 |
データ転送速度 | 210MB/s |
回転数 | 7200rpm |
キャッシュ | 256MB |
ロード/アンロード・サイクル | 600,000 |
回復不能読み出しエラー率 | 10E15あたり1回 |
MTBF (平均故障間隔) | 100万時間 |
アイドル時の平均消費電力 | 7.6W |
動作時の平均消費電力 | 8.8W |
動作温度 | 5~70℃ |
非動作時温度 | -40~70℃ |
重量 | 780g |
製品保証 | 3年 |
Rescueサービス (データリカバリー) | オプション |
Seagate IronWolf 8TB ST8000VN0022のレビュー
Seagate IronWolf 8TB ST8000VN0022の製品内容(付属品)は下記。
- 保証書付きパッケージ(茶箱)
- プチプチ
- 帯電防止袋
- HDD本体
※Amazonで購入しました
HDD本体の様子。
形状は一般的なHDDと同じです。
データシートのスペックから察するに10TB~14TBがヘリウム封入タイプだと思われます。
HDD側面のネジ穴は片側2個ずつとなっています。
※14TBモデルは3個ずつ
端子はSATAで、接続ケーブルは含まれていません。
基板の様子。
この裏に回転振動(RV)センサーが付いています。
※4TBモデル以上
8TBをNTFSでフォーマットすると、Windows10上では7.27TBとなります。
CrystalDiskInfoでSMARTを表示した様子。
ベンチマーク結果(SATA接続)
CrystalDiskMark、ATTO Disk Benchmark、HD Tune Proを使ってベンチマークを行いました。
接続はSATA3(6Gbps)です。
50MiBのベンチマーク結果です。
ランダムが異常に速いのはテストサイズがキャッシュに収まっているからでしょう。
1GiBのベンチマーク結果。
こちらが実情に近いスコアだと思われます。
データシートでは210MB/sなので、20MB/s以上速い結果です。
4GiBのベンチマーク結果。
シーケンシャルはほぼ変わりませんが、ランダムは全体的に遅くなりました。
16GiBのベンチマーク結果。
またランダムのスコアが下がりました。
32GiBのベンチマーク結果。
こちらも同様です。
一般的にHDDはシーケンシャルは変わらず、テストサイズが大きくなるにつれてランダムが少しずつ落ちていきます。
ATTO Disk Benchmarkのベンチマーク結果。
8KB辺りでトップスピードに到達します。
速度はCrystalDiskMarkより下がりました。
HDD Tune ProのReadテストの結果。
外周から内周にかけて少しずつ速度が遅くなっていきます。
HDD Tune ProのWriteテストの結果。
HDDなので同様に右肩下がりです。
ただ、Readに比べるとアクセスタイムが速くなっています。
ベンチマーク結果(NAS,1Gbps接続)
CrystalDiskMark 1GiBでベンチマークを行った結果です。
※ATTO Disk Benchmark、HD Tune ProではNASのドライブを認識できないので、計測していません
NAS(Synology DS118)とネットワーク速度が1Gbpsなので、シーケンシャルが遅くなりました。
とはいえ100MB/s以上出ているので、ラグいと感じることはないです。
あるとすれば、大容量動画ファイルを沢山入れてあるフォルダにアクセスするケースぐらいでしょう。
※HDDの速度をフルで出したければ、高速なネットワークとそれに対応したNASが必要です
温度と動作音について
室温21℃でアイドル時が30℃前後、ベンチマーク時は43℃まで上がります。
IronWolfとIronWolf Proの14TBモデルだと40℃ぐらいまでしか行かないので、やや高めです。
起動時は音が大きめですが、動作音はアクセス時にカリカリいう程度で、わりと静かめになっています。
ベンチマーク時はゴリゴリ音が鳴りますが、IronWolfとIronWolf Proの14TBモデルのベンチマーク時に比べると静かです。
短所
- IronWolf 14TBに比べるとやや遅い
- IronWolfの14TBモデルは約270MB/sでるので、8TBモデルは30~40MB/s遅いです。
といってもデータシート以上の速度は出ているので、同じ速度を望むのはぜいたくかなとも思います。
※1Gbps環境のNASで使う場合はほぼ差がないです。
長所
- 静かである
- PCケースに入れておけば全く音は気になりません。
NASケースの場合、うるさいのは起動時ぐらいです。
稼働中は気にならない程度に静かです。 - HDDとしては速い
- Seagate BarraCuda ST4000DM000(4TB)でベンチマークをした時は170MB/s弱しか出ていなかったので、それに比べるとIronWolf 8TBはだいぶ速いです。
思ったこととか
パソコンを24時間付けっぱなしなことが多い + 3年保証が欲しかったので、IronWolfを選んだ次第です。
上位のIronWolf Proの5年保証+データリカバリーは魅力的なんですが、価格が高いので手が出ませんでした。
個人的には5年保証+データリカバリー無しで、もう少し安いHDDシリーズがあればなと思います。