Seagate IronWolf Pro 14TB ST14000NE0008のレビューをします。
同製品はNASや24時間365日稼働PC向けブランド IronWolf Proに属するHDDです。
下位のIronWolfシリーズは3年保証ですが、IronWolf Proシリーズは5年保証と2年のデータリカバリープランが付属しています。
記事執筆時点では14TBが最大容量で、他に12TB,10TB,8TB,6TB,4TB,2TBモデルが販売中です。
ブランド | IronWolf Pro | IronWolf |
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容量 | 14TB | 14TB |
型番 | ST14000NE0008 | ST14000VN0008 |
インターフェイス | SATA 6Gbps | SATA 6Gbps |
対応ドライブベイ数 | 24台 | 8台 |
回転振動(RV)センサー | 対応 | 対応 ※3TB以下は非対応 |
データ転送速度 | 250MB/s | 210MB/s |
回転数 | 7200rpm | 7200rpm |
キャッシュ | 256MB | 256MB |
ロード/アンロード・サイクル | 未公表 | 600,000 |
回復不能読み出しエラー率 | 10E15あたり1回 | 10E15あたり1回 |
MTBF (平均故障間隔) | 120万時間 | 100万時間 |
アイドル時の平均消費電力 | 5.3W | 5.3W |
動作時の平均消費電力 | 7.9W | 7.9W |
動作温度 | 5~60℃ | 5~70℃ |
非動作時温度 | -40~70℃ | -40~70℃ |
重量 | 690g | 690g |
製品保証 | 5年 | 3年 |
Rescueサービス (データリカバリー) | 2年 | オプション |
参考価格 (2019/03/27現在) | 73,979円~ | 63,600円~ |
2019/07/28追記
最大容量の16TBモデルが発売となりました。
※この記事は製品をご提供いただき、執筆しています。
Seagate IronWolf Pro 14TB ST14000NE0008のレビュー
HDD本体(Seagate IronWolf Pro ST14000NE0008)の様子。
14TBモデルはヘリウム封入タイプなので、一般的なHDDの形状と違います。
IronWolf 8TB(上)とIronWolf Pro 14TB(下)のネジ穴を比較した様子。
IronWolfの方は片側に2個ずつ、Proは片側に3個ずつとなっています。
端子の様子。
接続インターフェイスはSATAです。
ケーブルは付属しないので、別途用意しましょう。
基板の様子です。
保証が切れるので分解していませんが、この裏にRVセンサーが付いています。
ちなみにHDD本体の黒い部分に指紋がかなり付きやすいので、気になる方は手袋を使用しましょう。
重さを量った様子です。
683gなのでデータシート(690g)よりやや軽いことになります。
NTFSでフォーマットしてプロパティを確認した様子。
Windows10上でのサイズは12.7TBとなります。
CrystalDiskInfoを起動した様子。
ベンチマーク結果(SATA接続)
CrystalDiskMark、ATTO Disk Benchmark、HD Tune Proを使ってベンチマークを行いました。
接続はSATA3(6Gbps)です。
50MiBで計測した様子。
下3つが速いのはHDD搭載のキャッシュに収まるサイズであるからだと思われます。
1GiBで計測した様子。
50MiBの時に比べるとかなり落ちていますが、こちらがより実際に近いかと思います。
カタログスペックの転送速度は250MB/sなので、シーケンシャルはやや速い結果です。
4GiBで計測した様子。
シーケンシャルはほぼ変わりませんが、他は少し落ちています。
16GiBで計測した様子。
こちらもシーケンシャルは変わりません。
ランダムはさらに遅くなりました。
32GiBで計測した様子。
こちらも同じ結果で、段々ランダムが遅くなります。
ATTO Disk Benchmarkの結果。
8KB~16KB辺りでトップスピードになり、そこから先はあまり変わりません。
CrystalDiskMarkに比べると、速度がやや遅いです。
HDD Tune ProのReadテストの結果。
外周から内周に向けて段々速度は遅くなっていきます。
SSDに比べるとアクセスタイムは当然遅いですが、HDDとしては速い部類に入るかと思います。
HDD Tune ProのWriteテストの結果。
Writeテストも段々遅くなるのは同じです。
アクセスタイムはバラけた感じになりました。
ベンチマーク結果(NAS,1Gbps接続)
CrystalDiskMark 1GiBで計測した様子です。
使っているNAS(Synology DS118)とネットワーク速度が1Gbpsなので、SATA接続に比べるとシーケンシャルがだいぶ落ちます。
HDDの速度をフルで出したければ、より高速なネットワークとそれに対応したNASが必要です。
※ランダム性能が上がる理由はどうしてなのか分かりません
温度と動作音について
室温21℃でアイドル時は30℃前後、ベンチマーク時は40℃手前ぐらいで稼働します。
動作音は静かめで、PCケースに入れておけば聞こえるか聞こえないかぐらいです。
ベンチマーク時はゴリゴリ音が気になるのと、シーという音がうるさいです。
ヘリウムが入っていないHDDだとこの音はしないので、シーという音はヘリウム封入モデル特有のものかもしれません。
耐久性について
IronWolf、IronWolf Proは常時稼働や高耐久がうたわれており、MTBF(平均故障間隔)も公開されていることから、耐久性に自信があることがうかがえます。
※BarraCudaシリーズのMTBFは非公開
企業で数十台・数百台単位の運用をするなら差が出てくるでしょう。
ただ、個人で1台~数台導入する場合、IronWolf・IronWolf ProとBarraCudaシリーズでどれくらい故障率に差が出るかは難しいところです。
運要素(不良品を引くか引かないか)の影響が大きくなりますし。
もちろん、IronWolf・IronWolf Proの方が安心感があるのは確かですけど。
まとめ
IronWolf Proシリーズには5年保証と2年のデータリカバリーサービスが付属しているので、データを冗長化した上でさらに保険が欲しい方向けになるかと思います。
ただ、下位のIronWolf(3年保証)よりは当然お高いです。
予算があればIronWolf Proを選べば良いですが、厳しい方は安いIronWolfの方を選び、台数をより多くして冗長化するのもありでしょう。
追記
下位のIronWolf 14TBのレビューを書いたので、合わせてご覧ください。