ASRock Desk Mini 110/B/BBのレビューをします。
同製品はMini-STXベースの格安ベアボーンPCです。
※Mini-STXは、Mini-ITXより少し小さいフォームファクター
パワフルなCPUを積んだ小型PCを欲している方は、ぜひチェックしていってください。
サイズ | 1.92L (155 x 155 x 80mm) |
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CPU | 第7、第6世代 Core i7/i5/i3/Pentium/Celeron ※LGA1151 最大TDP 65W |
マザーボード | ASRock H110M-STX |
チップセット | Intel H110 |
メモリー | DDR4-2133 SODIMM x2スロット(最大32GB) |
オーディオ | Realtek ALC283 |
ネットワーク | Intel Gigabit I219V LAN |
拡張スロット | M.2 (E key/2230) Slot for WiFi + BT Module M.2 SSD Slot (Supports type 2280 M.2 PCIe Gen3 x4) |
ドライブベイ | 2.5インチ HDD・SSD x2 |
出力端子 | VGA、HDMI、DisplayPort |
保証 | 1年 |
2018/08/20追記
Intel 第8世代に対応する後継のベアボーン ASRock DeskMini 310が発売されました。
ASRock Desk Mini 110/B/BBのレビュー
ASRock Desk Mini 110/B/BBのパッケージの様子。
左上にはCFDのシールが貼ってあります。
製品内容(付属品)は下記。
- ベアボーン本体
- ACアダプター + ケーブル
- SATA用特殊ケーブル x2
- ゴム足
- ねじ
- クイックインストールガイド
- ドライバーディスク
本体前面の様子。
左からイヤホンジャック、USB3.0 Type A、USB3.0 Type C、マイクジャック。
右上は電源ボタン、その下は電源ランプとインジケータ。
右側面は通気用の穴が空いています。
左側面はシールとゴム足を取り付ける場所があるだけです。
バックパネルの様子。
左から電源端子、DisplayPort、HDMI、VGA、USB3.0、USB2.0、LAN端子。
バックパネルの左側にWiFi・Bluetoothアンテナ用の穴自体はあるのですが、金属の板でふさがっている状態です。
使用する場合は取り除く、もしくは穴を開ける必要があります。
ASRock Desk Mini 110/B/BBとIntel NUCの大きさを比較した様子。
ASRock Desk Mini 110/B/BBとIntel NUCの厚さを比較した様子。
組み立て方(手順)
1.背面のねじ4つを外して、マザーボードを引き出します。
2.CPUのソケットカバーを上げ、CPUの切り欠きを合わせて、静かに設置します。
3.ソケットカバーを閉めます。
4.レバーを下ろして、留め具に固定すれば、CPUの取り付けは終了です。
※ミシミシいいますが、そういうものなので、気にしないでください
※黒いカバーはおそらく保証を受ける際に必要になるので、捨てずにとっておきましょう
5.CPUクーラーを取り付けます。
作業しにくい場合は、ケーブルを抜いて、ケースと分離しましょう。
リテールクーラーの場合は、グリスが付着しているので、別途塗る必要はありません。
わたしが使ったRAIJINTEK ZELOSは、別途グリスを塗る必要があります。
6.ZELOSは裏面でネジを固定するタイプなので、四隅のねじを外して、マザーボードだけの状態にしました。
7.切り欠きを合わせて、メモリをしっかりと取り付けます。
補足
ZELOSの場合、ケースに収める時にファンを動かす(画像左方向に)必要があるので、設置向きは上記画像のとおりにするとよいでしょう。
ただ、上記画像の状態ではファンケーブルが引っかかるので、向きを変えておいてください。
※ケーブルが外側ではなく、内側にくるようにします
8.ファンのケーブルをマザーボード上の端子に挿します。
9.WiFiモジュール、M.2 SSDを取り付けます。
今回は使っていないので、画像はありません。
クイックインストールガイドを参照してください。
10.2.5インチSSD・HDDを取り付けます。
画像中央側にある突起に、SSD横の穴を合わせて、外側(左側)のねじ2つで固定する形です。
2.5インチSSD・HDDを2台使う場合は、マザーボードをシャーシ(土台)から取り外さないといけません。
11.SATA用の特殊ケーブルをしっかり取り付けます。
両端とも向きがあるので、注意してください。
横から見ると、正しく装着できているか、否かが分かりやすいです。
作業スペースが狭いので、ここが一番の難関かもしれません。
12.ケース側のコネクタをマザーボードに挿します。(戻します)
これも向きがあるので、注意してください。
13.土台をスライドさせて、ケースに戻し、ねじを締めます。
ZELOSの場合は、ファンを下方向にできるだけ下げます。
上で記述した通り、ファンケーブルを内側にしました。
14.あとはゴム足を付けて(両面テープになっています)、作業は終了です。
注)出来上がったベアボーンPCを縦向きで使うか、横向きで使うかで、ゴム足の取り付け位置は変わります
※ゴム足は4つだけで、予備はありません
長所
- デスクトップ向けCPUを使える
- モバイル向けCPUよりも高性能なデスクトップ向けCPUが使えるのは、とてもポジティブです。
同じCore i3でも、モバイル向けとデスクトップ向けで、倍近い性能差というケースもありますし。
ちなみにASRock Desk Mini 110/B/BBはTDP 65WのCPU対応なので、現行ですとi7 7700が最上位です。
PCショップによってはSkyLakeまでと記載しているところもありますが、BIOS P1.50からはKabyLakeも搭載できます。
※わたしがamazonで買ったDesk Mini 110/B/BBは、最初からBIOS P1.50でした
※マザーボード(H110M-STX)のCPUサポートリストでは対応となっているので、消費電力の問題(ACアダプター)と排熱の問題を解決できれば、i7 7700K(91W)も搭載できるかもしれません。 - 安い
- 購入時の本体価格は15,662円でした。
ベアボーンとしてはかなり格安なので、余った予算をCPUやメモリなどに割くことができます。 - 小さい
- Intel NUCよりは大きいですが、PCとしては十分小さい部類に入ります。
※サイズ感としては、一般的なATX電源(自作PC向け)が近いです
NUCは置けるけど、Desk Mini 110/B/BBは置けない環境というのは少ないですし、どうせならデスクトップ向けCPUを使える後者をオススメします。
省電力命で、絶対モバイル向けCPUがいいという場合は別ですが。 - 意外と静か
- リテールクーラーだとうるさいかもしれませんが、わたしが使ったRAIJINTEK ZELOSの場合、ファン音(稼働音)は全然気にならないレベルです。
Desk Mini 110/B/BBのケースは通気用の穴が多く、もっとうるさいかと思っていたので、意外でした。 - 組み立てが簡単
- 自作PCをやったことがある人なら楽勝、やったことがない人でも大丈夫かと思います。
マニュアル(クイックインストールガイド)がしっかりしているので、きちんと読んで、ゆっくり組み立てれば問題ありません。
短所
- 質感は値段なり
- Intel NUCのガワ(ケース)に比べると、ASRock Desk Mini 110/B/BBは安いっぽいです。
まぁ、実際安いので仕方ないと思いますが。 - VGAは要らない
- 正直、VGA出力ポートは要らないと思います。
コスト面の問題で難しいのかもしれませんが、どうせならオーディオ用光出力を付けて欲しかったです。 - VESA用プレートはついていない
- プレートはオプション扱いなので、付いていません。
一緒に購入した・用意したパーツ
Desk Mini 110/B/BBを完成させるには、CPU、クーラー、メモリ、ストレージ、OSが必要です。
わたしは下記のパーツを使用しました。
- Intel Core i3-7100(KabyLake)
- 2コア4スレッド 3.9GHzのCPU。
軽いゲームなら問題なく動きますし、サブ機として使うには十分な性能です。
DisplayPortを使えば、4K60p出力もできます。 - RAIJINTEK ZELOS
- 高さ44mmのトップフロー型CPUクーラー。(TDP 105Wまで対応)
それなりに冷えて(室温27℃でCPU温度が37℃程度)、ファン音は静かです。
ただ、工作精度が低い為、取り付けにくいと感じました。
また、固定用の六角ネジを締めすぎると空転して、外れなくなるので注意が必要です。
※取説ではスパナを使うように解説されていますが、手で締めて、最後に少しだけスパナを使うぐらいが丁度よいかと思います
残念なことにわたしが買った個体は、新品にも関わらず錆びていました。 - CFD D4N2133PS-8G
- PC4-17000(DDR4-2133)対応のsodimmメモリ(8GB x1枚)。
8GB x2枚のW4N2133PS-8Gも考えたのですが、値段が上がりつつあるので、今回は8GB x1枚にしました。 - SanDisk SSD PLUS 120GB SDSSDA-120G-J26
- 120GBのSSD(SATA3対応)。
最大読込は530MB/s、最大書込は400MB/s。
これは以前使っていたNUCからの使い回しです。
新規で用意するのであれば、M.2 SSDを選択してもよいでしょう。
取り付けが楽になりますし。 - Windows 10 Professional 64bit
- Professionalでなければいけない理由はないのですが、ライセンスが余っていたので使いました。
CPUクーラーについて
入手性、価格の面から考えると、主な選択肢は下記の4つとなります。
- リテールクーラー
- RAIJINTEK ZELOS
- Scythe 小太刀 Revision B(SCKDT-1100)
- noctua NH-L9i
※CRYORIG C7はバックプレートが干渉するらしいので、注意が必要です
思ったこととか
これだけ小型なPCに、パワフルなCPUを載せられるMini-STXは面白いと感じています。
3Dゲームをバリバリしないという条件付きではありますが、メイン機としてもサブ機としても戦えるマシンが簡単に手に入るわけですし。
ただ、規格として流行るまでには、少なくともMini-STX対応ケースの選択肢が増えることが必要でしょう。
現状では、パーツをバラで買い揃えるよりも安い、ASRock Desk Mini 110/B/BBを購入する方が無難かなと思います。
追記
2017/06/21追記
関連記事を書きました。
ASRock Desk Mini 110/B/BBのパワーLEDがスリープ時に点滅するのを止める方法