MSI Cubi 2 Plusのレビューをします。
同製品は小型(155.3×147.9×62.2mm)ながら、Skylake-Sプロセッサを搭載したパワフルなベアボーンPCです。
特徴としては4K出力、デュアルディスプレイ対応、VESAマウント対応などが挙げられます。
まずはスペックを確認してみましょう。
型番 | Cubi 2 Plus-009BJP-B3610TXX |
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OS | なし |
チップセット | Intel H110 |
CPU | Intel Core i3-6100T 3.2GHz 2コア4スレッド |
グラフィック | Intel HD Graphics 530 |
メモリタイプ | SO-DIMM DDR4 2133HMz 最大32GB |
メモリスロット | x2 |
ストレージ | M.2 SSD x1(PCIe Gen3 x2のみ) 2.5インチ SATA HDD or SSD x1 |
LAN | Intel I219V Ethernet LAN 10/100/1000 |
無線LAN / Bluetooth | Intel Wireless-AC 3165 + Bluetooth 4.0 |
オーディオ | Realtek ALC283 |
インターフェース(トップ) | USB 2.0 x1 (スーパーチャージャー付き) |
インターフェース(フロント) | マイク/オーディオジャック x1 USB 2.0 x3 USB 3.1 Gen1 Type-C x1 カードリーダー x1 |
インターフェース(リア) | HDMI x1 DisplayPort x1 RJ45 x1 USB3.1 Gen1 x2 |
Kensington Lock | 対応 |
ACアダプタ | 90W |
サイズ | 155.3mm(W)*147.9mm(D)*62.2mm(H) |
重量 | 1400g |
保証 | 1年 |
※この記事はベアボーン本体と検証機材(メモリ、SSD)をお借りして、執筆しています
MSI Cubi 2 Plusのレビュー
パッケージの様子。
製品内容(付属品)は下記。
- ベアボーン本体
- ユーザーガイド
- 組立説明書
- 保証関連の冊子
- VESAマウント用のプレート
- ねじ類
- SATA用ケーブル
- ACアダプター + ケーブル
本体を上から見た様子。
左側に電源ボタン、右側の台形部分はゴムを外すとUSB 2.0端子が現れます。
本体前面の様子。
左側にはマイク・ヘッドホン端子、USB 2.0端子 x3、USB 3.1 Type-C端子。
右側にはカードリーダーとディスクアクセスランプがあります。
本体側面の様子。
左右側面は放熱用のスリットがあるだけです。
本体背面の様子。
左からケンジントンロック、電源入力端子、DisplayPort、HDMI、LAN、USB 3.1 x2があります。
本体内部の様子。
CPUクーラーはファン有りです。
ここでさわるとしたら、メモリスロットとM.2端子ぐらいしかありません。
SATAの2.5インチドライブは、右側部分をひっくり返して、フタ(カバー)を外したところに取り付けます。
ベンチマーク
MSI Cubi 2 Plus(Core i3-6100T 2C4T 3.2GHz)と手持ちのIntel NUC NUC5i3RYH(Core i3-5010U 2C4T 2.1GHz)で、性能を比較しました。
行ったベンチマークは、CPU性能を計測するCinebench、ゲーム性能を計測するドラゴンクエスト Xの2つです。
スコア | |
MSI Cubi 2 Plus | 346cb |
Intel NUC NUC5i3RYH | 213cb |
コアが1世代違うこと、クロックに差があることが、順当に現れた結果となりました。
スコア | |
MSI Cubi 2 Plus | 5040(快適) |
Intel NUC NUC5i3RYH | 3230(普通) |
1920 x 1080の標準画質設定でベンチマークを取った結果です。
思っていた以上に差が出ましたし、何よりフルHDでも快適に動くということに驚きました。
長所
- 低消費電力である
- アイドル時で12W前後、ロード時(Cinebench)でも36W前後と、消費電力はかなり抑えられています。
ゲーム時はもう少し上がりますが、ゲーミングデスクトップPCのそれに比べたら微々たるものです。 - 小型である
- Intel NUCよりは大きいものの、ベアボーンとしては十分小さいです。
机の上に置いていても邪魔になりません。
VESAマウント対応なので、いざという時はモニター裏に設置することもできます。
- パワフルな性能
- SSDを搭載すれば、ネット閲覧やオフィス作業などの一般用途は快適です。
また、ベンチマークの結果からは、重いゲームでなければ動作することが読み取れます。 - インターフェイスが豊富
- 小さいPCはインターフェイスが削られがちですが、同製品は違います。
USBポートはまず足りるでしょうし、デュアルディスプレイも可能です。
ついでに言えばカードリーダーも付いているので、後から増設する必要がありません。 - CPU交換が可能
- 冷却面の問題があるので、選択肢は限られるでしょうが、CPUの交換が可能です。
付属の説明書には、CPUの取付方法が記載されています。
メーカーページの表記から察するに、TDP 35WのSkylake-Sならi5やi7も搭載できるみたいです。
※CPU対応表がないので保証はしませんが
注)CPU交換は保証範囲外となります
短所
- M.2 SSDがPCIe Gen3 x2
- 最新のM.2 SSDはGen3 x4のものが多いので、選択肢が少ないです。
x4との体感差はあまりないかもしれませんが、ベンチマークが好きな人間としてはもったいなく感じます。 - アクセスランプが少しまぶしい
- フロントのディスクアクセスランプがチカチカするのが、少し気になりました。
- 保証が短め
- 1年保証は短いかなと思います。
Intel NUC並の3年保証とは言いませんが、せめて1年半~2年ぐらいにして欲しいです。
補足
同製品はベアボーンキットなので、別途メモリ(SO-DIMM)、SSD or HDD、OSが必要となります。
下記画像のメモリ(Kingston HX421S13IBK2/16)とSSD(Kingston SHFS37A/120G)は、今回お借りした検証機材です
組み立ての難易度について
自作PCの経験がある方なら、楽勝です。
下記のコネクタ(SATA用ケーブルのベアボーン側)のように見慣れないものもありますが、向きを合わせて押すだけで接続できるので、安心してください。
ストレージ(SSD or HDD)とメモリを接続するだけなので、自作PCの経験が無い方でも時間をかければ問題ないでしょう。
大事なのはメモリやSATAコネクタの向きを確認すること、ベアボーンの規格に適合した製品を買うことぐらいです。
思ったこととか
動画エンコードや最新の3Dゲームをバリバリやりたいといった用途には向きませんが、それ以外の用途であれば、十分に活躍できます。
本体にSSD 120GB + メモリ16GB + Windows 10 Homeを付けても、10万円以内に収まるのはイイですね。
既に液晶モニターを持っている方であれば、メイン機としても、サブ機としても、良い選択肢になるのではないかと思います。