ストレージというのはデータを保存するデバイスのことで、PCではHDDやSSDがそれに当たります。
2015年4月現在、デスクトップ向けHDDは3.5インチ、ノートPC向けHDDやSSDは2.5インチサイズで、接続規格はSATA3(6Gbps)及びSATA2(3Gbps)というのが一般的です。
ただ、主流となっているSATA3,SATA2という規格は限界が近づいています。
というのも、SSDが速くなりすぎたんですね。
HDDの場合は問題ありませんが、SSDは読込速度550MB/s辺りで頭打ち状態になっています。
そこで、より高速な規格が必要となってくる訳です。
現状では下記の4つが候補として存在していますが、過渡期なのでどれがこの先生きのこるかは決まっていません。
- PCI Express
- SATA Express
- M.2
- SFF-8639(U.2)
というわけで、PCのストレージ規格が今後どうなっていくのかを考えてみたいと思います。
ストレージ高速規格の長所・短所
- PCI Express
- 現在使われている多くのPCに搭載されている規格なので設置しやすい。
速度が頭打ちになった時に、まだ高速化できる余地があるのも利点。
(例)x4接続 → x8接続
※そうなった場合は、CPUが持つPCI-Eレーン数の拡張が必要か?
PCI-Eのスロットを物理的に使うことは欠点。 - SATA Express
- 一部のIntel 9シリーズ マザーボードで採用されていること、2つのSATAコネクタとして利用できることは利点。
コネクタの幅が広くなりがちなこと、採用製品が発売されていないことは欠点。 - M.2
- 物理的に小さいこと、一部のIntel 9シリーズ マザーボードで採用されていることは利点。
配置的にビデオカードなどの熱を直接受けやすいこと、マザーボードによって対応速度にバラツキがあることは欠点。 - SFF-8639(U.2)
- マザーボード側のコネクタが小さいのが利点。
採用製品が未発売であること、搭載マザーボードがない(たぶん)ことが欠点。
※Intel SSD 750 シリーズが発売予定
※M.2との変換基板はあるようですが、配置によっては拡張カードを挿せない場合があるようです
今後の展望
ノートPCに関しては、小さくて薄いM.2が優勢かと思います。
高価格帯はM.2、中・低価格帯は2.5インチHDD or SSDのような住み分けはあるかもしれませんが、たぶん採用製品が増えていくでしょう。
デスクトップPCに関しては、現時点で製品化されているPCI ExpressとM.2が一歩リードでしょうが、今後のことは正直分かりません。
SATA Expressは製品次第、SFF-8639は次世代マザーボードの基板上に搭載されるかどうかといったところでしょう。
ただ、どの規格も現在のSATAのように沢山挿せるものではないので、高速規格 + SATA3の環境はしばらく続くのかもしれません。
個人的には、扱いやすいPCI ExpressとM.2 SSDに生き残ってもらいたいと思っています。
唯一気になる点があるとすれば、M.2の熱(温度)耐性がどれほどのものかということ。
多くのマザーボードでビデオカードの排熱を受けやすい位置に設置されているので、何度までは大丈夫といった目安が欲しいところです。
2015/06/15追記
SFF-8639は、U.2という名前に統一されたようです。