CPU・GPU向けの熱伝導シート Thermal Grizzly Carbonautのレビューをします。
同製品は伝導率が62.5W/m・kで、一般的なCPUグリスに比べて高いことが特徴です。
一部の方の間ではクマシートと呼ばれています。
導入する大きなメリットは下記の3つ。
- グリスを塗ったり、ふいたりする手間がない
- 何度も再利用できる
- 密着してCPUがスッポンすることがない
記事内でまとめていますが、サイズによって対応ソケットが違うのでご注意ください。
- Thermal Grizzly Carbonaut 32×32×0.2
- Thermal Grizzly Carbonaut 38×38×0.2
- Thermal Grizzly Carbonaut 51×68×0.2
- Thermal Grizzly Carbonaut 25×25×0.2
- Thermal Grizzly Carbonaut 31×25×0.2
Thermal Grizzly Carbonautのレビュー
Thermal Grizzly Carbonautのパッケージ表側の様子。
こちらには超高性能カーボン製サーマルパッドであることが記載されています。
オーバークロッカーの清水貴裕氏推奨商品(シミオシ)シール付きです。
裏面には主な特徴が多言語で記載されています。
- 極めて高い熱伝導率
- 長期安定性に優れる
- 再利用可能
- ドライアウト(硬化不良)を起こさない
- 柔軟性があり密着性に優れる
製品内容(付属品)は内パッケージとシート本体、取扱説明書、Thermal Grizzly製品であることを表す証明書です。
内パッケージを開封した様子。
シート本体はとても薄い(0.2mm)ので、破らないように注意しましょう。
Socket AM4のCPU(AMD Ryzen 7 3800X)の上にシート本体を載せた様子です。
CPU本体のサイズよりは小さいですが、ヒートスプレッダよりは少し大きいサイズ感になっています。
シートに粘着性はありません。
AM4のCPUにシートを載せて、横から見た様子。
ヒートスプレッダより少しはみでていることが分かります。
この状態でCPUクーラーを載せるのですが、CPUグリスとは違うのでグリグリして押し広げる必要はありません。
とにかくズレないようにすることが重要です。
冷却性能について
AMD Ryzen 7 3800XとMX-4(CPUグリス)を使用して、冷却性能を比較しました。
クーラーはNoctua NH-U12Aです。
テスト条件は下記。
- 室温は18℃
- パソコン起動して5分経過した時の温度をアイドル時、OCCTを走らせて5分経過した時の温度をフルロード時と規定
- 温度の計測にはOCCT5.5.1を使用
Thermal Grizzly Carbonaut | MX-4 | |
---|---|---|
アイドル時温度 | 42.5℃ | 41℃ |
フルロード時温度 | 72℃ | 71℃ |
冷却性能を計測した結果、MX-4より少し落ちる結果となりました。
MX-4自体はCPUグリスの中で優秀な部類なので、十分高性能な熱伝導シートと言えるでしょう。


長所
- グリスを塗ったり、ふいたりする手間がない
- CPUグリスとは違い、塗ったりふいたりする手間がなく、塗りムラも発生しません。
またドライアウトも起こさないので、安定的な冷却性能が期待できます。 - 何度も再利用できる
- 本体価格はCPUグリスよりも高めですが、何度も使えることを考えるとコスパは良いと言えます。
- 密着してCPUがスッポンすることがない
- AMDのAMソケットはカバーがないため、スッポン(クーラーを取り外す時にCPUも一緒に取れてしまうこと)しやすいですが、同製品には粘着性が全くないのでそういった危険を回避できます。
短所
- 導電性がある
-
Thermal Grizzly Carbonautは導電性があるので、端子などに触れないように注意が必要です。
ヒートスプレッダからはみ出た部分は、使用後(CPUクーラー装着後)に切れ目が入ります。
何度も使うと切れ目が広がることが予想されるので、2回目以降は破れが発生していないか確認しましょう。
破れた部分が取れてショートする可能性が気になる人は最初からカットするのもアリです。
対応ソケットとサイズについて
Thermal Grizzly Carbonautは5種類販売されていて、それぞれ対応ソケット(CPU)とサイズが違います。
間違って購入しないように注意しましょう。
Carbonaut 32×32×0.2(TG-CA-32-32-02-R)はIntel 115X CPU用。
Carbonaut 38×38×0.2(TG-CA-38-38-02-R)はIntel 20XXとAMD Socket AM4用。
Carbonaut 51×68×0.2(TG-CA-51-68-02-R)はAMD Socket TR4用。
Carbonaut 25×25×0.2(TG-CA-25-25-02-R)はNvidia RTX 2080(GPU)用。
Carbonaut 31×25×0.2(TG-CA-31-25-02-R)はNvidia RTX 2080 Ti(GPU)用。
まとめ
これまで色々なグリスを試してきましたが、もうThermal Grizzly Carbonautで十分だと感じています。
冷却性能も良いですし、手間がはぶけたり、スッポンの心配がないのも大きいです。
