この記事では、CPUグリス8種類の性能比較を行います。
グリス購入時の参考にして頂ければ、幸いです。
まずは、今回使用する8種類のスペック比較から始めます。
製品名 | 熱伝導率 | 導電性 | 価格 | 容量 |
---|---|---|---|---|
JunPus JP-DX1 | 16W/mk | 無 | 1,480円 | 3g |
CoolLaboratory Liquid Copper | 11.8W/mk | 有 | 1,558円 | 1ml |
PROLIMATECH PK-3 | 11.2W/mk | 無 | 1,110円 | 1.5g |
XIGMATEK XI-3 HDT | 9.1W/mk | 無 | 1,768円 | 4g |
Arctic Silver AS-05 | 9.0W/mk | 無 | 1,000円 | 3.5g |
Arctic Cooling MX-4 | 8.5W/mk | 無 | 1,060円 | 4g |
GELID GC-EXTREME | 非公表 | 無 | 964円 | 3.5g |
noctua NT-H1 | 非公表 | 無 | NH-D14に付属 | 1.4ml |
※価格は購入時のものです
CPUグリス比較の検証条件
各グリス検証スタート時の室温を26.2℃に固定。
検証終了後に変わっていた場合は換気で調整を行い、次の検証を開始する。
計測するタイミングは以下の2つ。
・パソコンを起動してから3分後のアイドル時。
・OCCT 4.4.1を回して5分後のフルロード時。
温度計測はOCCTで行い、コア温度を平均したものとする。
検証機
CPU | Core i7 5960X (8コア16スレッド) |
---|---|
CPUクーラー | noctua NH-D14 SE2011 |
M/B | ASRock X99 Professional |
MEM | G.Skill F4-2400C15Q-16GRB |
VGA | EVGA GeForce GTX 780 Ti Dual Classified |
SSD | SAMSUNG MZHPU256HCGL-00004 |
電源 | Seasonic SS-860XP |
ケース | COOLER MASTER COSMOS II |
省電力機能をONにしているので、アイドル時は約1.3GHzで稼働。
フルロード時に差が付きやすい様に、CPUクロックを定格の3.5GHzから4.0GHzにオーバークロックしています。
CPUクーラーのファンの回転は100%に固定。
ケースは横倒しで、サイドパネルを外した状態。
グリスの塗り方は、CPUの中心に米粒サイズ出して、クーラーで押し広げる方法に統一。
CPUクーラーのネジは最後まで締め切った状態です。
注意点
全てOCCT読みなので比較としては成立していますが、若干温度が低く表示されている気がします。
また、出来る限り条件を揃えましたが、検証環境によって結果が入れ替わる可能性は考えられます。
その点については予めご了承下さい。
CPUグリスの性能比較検証結果
定番のCPUグリス MX-4の健闘が光る結果となりました。
奇跡的に薄く塗れた可能性もなくはないですが、それでも公称熱伝導率が倍近いJP-DX1を食ってしまったのはスゴイ事でしょう。
それに比べ、CoolLaboratory Liquid Copperにはガッカリです。
銅が含まれているということで期待していたんですが、こんな結果になるとは思いませんでした。
まとめ
i7 5960Xを4.0GHzにオーバークロックした状態での結果ですから、定格ならもっと差が縮む事になります。
発熱が少ないCPUなら、更に差がつきにくいでしょう。
そう考えると、全体的に優秀だったのかもしれません。
ただ、CoolLaboratory Liquid Copperはオススメ出来ないです。
一番冷えたならともかく、冷えない上にショートのリスク(導電性有)を負うなんて選択肢はありません。
塗る時も拭き取る時も気を使うのは、結構しんどいですし。
検証結果からいって、下記の2つをオススメするのが順当かなと思います。
- Arctic Cooling MX-4
- JunPus JP-DX1
この2種はOCCT稼働中の最高到達温度も明らかに低かったですし。
今回の検証で唯一悔いが残るとすれば、極端に熱伝導率の低い製品を含めなかったことでしょうか。
そういう製品あればもっと分かりやすい差が出て、他の製品の優秀さが際立ったかもしれません。
次回がもしあれば、残念な製品も含めようかと思います。
追記
2015/09/09追記
新たなグリス比較記事(2015年9月版)を書きました。
合わせてご覧ください。