GTX 980 Tiに簡易水冷クーラーを搭載したビデオカード EVGA GeForce GTX 980 Ti HYBRID GAMINGのレビューをします。
高性能で冷えるビデオカードが欲しい、簡易水冷クーラー搭載製品の性能が知りたいなんて方は、ぜひ読んでいってください。
まずはスペック紹介から始めます。
GPU | NVIDIA GTX 980 Ti |
---|---|
コアクロック(ブーストクロック) | 1140 MHz(1228 MHz) |
メモリ容量(バス幅) | GDDR5 6GB(384bit) |
メモリクロック | 7010 MHz |
補助電源 | 8pin + 6pin |
サイズ(高さx長さ) | 111.15mm x 266.7mm |
スロット占有数 | 2 |
出力端子 | DVI-I,HDMI,DisplayPort x3 |
保証 | 3年 |
型番 | 06G-P4-1996-KR |
メーカー製品情報ページ
EVGA GeForce GTX 980 Ti HYBRID GAMINGのレビュー
とりあえず、箱がでかくて驚きました。
60x44x11cmもあります。
箱をあけるとスカスカでした。
きっと、丁度いいサイズの箱がなかったのでしょう。
製品本体の箱の大きさは39x37x10cm。
重量は約3kg。
ビデオカードの箱は長方形のものが多いですが、これはマザーボードの箱に近いです。
箱を開けると、更に箱が入っています。
製品内容は下記。
- ビデオカード + ラジエーター + ファン
- ユーザーガイド
- ポスター
- シール
- EVGAロゴバッジ
- ドライバCD
- タイラップ
- マジックテープ式結束バンド
- ねじ + ワッシャー
- DVI – VGA変換コネクタ
- PCIE 6pin x2 – PCIE 8pin変換ケーブル
- ペリフェラル 4pin x2 – PCIE 6pin変換ケーブル
ラジエーターは2.7cm厚、ファンは2.5cm厚となっています。
本体+ラジエーター+ファンで、約1.4kg。
裏面はバックプレートでおおわれています。
出力端子の様子。
写真では取り外していますが、実際には端子の保護キャップが付いています。
約5mm、ブラケットより高さがあります。
ビデオカード上面側の様子。
ビデオカード下面側の様子。
ビデオカード右側面の様子。
ベンチマーク比較
比較対象は、EVGA GeForce GTX 980 Superclocked。
HYBRIDのブーストクロックは1354MHz(自動でブースト)。
HYBRID(OC)はブーストクロックを1449MHzまでオーバークロックしてあります。
980 SC | 980 Ti HYBRID | 980 Ti HYBRID(OC) | |
---|---|---|---|
FireStrike | 12,105 | 14,967 | 15,249 |
FireStrike Extream | 6,406 | 8,041 | 8,358 |
ノーマルのFireStrikeでは、HYBRIDがGTX 980 SCの約1.24倍、OCが約1.26倍。
Extreamでは、HYBRIDが約1.26倍、OCが約1.30倍となっています。
※Titan XのFireStrikeのスコアは14000台前半なので、一応性能的には上回っています。
GPU温度
計測にはPrecisionX 16を使用。
室温は27.2℃。
980 SC | 980 Ti HYBRID | 980 Ti HYBRID(OC) | |
---|---|---|---|
アイドル時 | 47℃ | 35℃ | 36℃ |
フルロード時 | 75℃ | 47℃ | 48℃ |
アイドル時で10℃ちょっと、フルロード時で約27℃の差があります。
さすが簡易水冷といったところでしょう。
消費電力
システム全体の消費電力を、アイドル時、フルロード時(ベンチマーク)で計測しました。
計測にはSANWA SUPPLY TAP-TST8を使用。
980 SC | 980 Ti HYBRID | 980 Ti HYBRID(OC) | |
---|---|---|---|
アイドル時 | 約110W | 約130W | 約130W |
フルロード時 | 約290W | 約370W | 約370W |
GTX 980から980 Tiへの変更なので、消費電力が上がるのは仕方ないことです。
潔くあきらめましょう。
オーバークロックについて
私が買った個体はASIC 72.6%で、1354MHzまで自動でブースト。
公称のブーストクロックが1228MHzなので、+126MHzということになります。
ここからどこまでオーバークロックできるのか軽く試してみましたが、電圧調整なしでは1450MHz辺りが限界のようです。
それ以上あげると、ドライバーの応答停止が頻発します。
海外のレビューを見ていると1480~1500MHz辺りまでイケる個体もあるようなので、やり方次第と言ったところでしょうか。
温度を心配する必要がほとんどないので、ライトなオーバークロックなら向いている製品だと思います。
ただ、スペック的(フェーズ数など)にヘヴィなオーバークロックには向いていないでしょう。
記録を狙いたいユーザーなら、CLASSIFIEDかK|NGP|Nにいくことをオススメします。
静音性について
最近のビデオカードはセミファンレスのものが多いですが、980 Ti HYBRIDはそうではありません。
常時、カード側のファンとラジエーター用のファンが回っています。
ただ、ゆるゆると回っているので、特別うるさい訳でもありません。
他のケースファンにかき消される程度のものです。
注意点
大型のCPUクーラーを搭載していると、干渉する場合があります。
写真のクーラーは、Noctua NH-D15Sです。
2015年10月26日現在、EVGA公式サイトにて、HYBRID製品用カバーの無料プレゼントキャンペーンが開催されています。
しかし、日本はキャンペーン対象外の為、応募することはできません。
購入について
私はamazon.comから個人輸入しました。
かかった金額は、合計で$819.60(約99,532円)。
内訳は下記。
購入時価格:$719.99
送料:$38.90(AmazonGlobal Priority Shipping)
デポジット:$60.71
デポジットは、実際にかかった消費税が引かれた後、数ヶ月後に戻ってきます。
おそらく、$25ちょっと返ってくるはずなので、最終的にかかる金額は96,000円ぐらいになるでしょう。
個人輸入の手順については下記記事で解説しているので、そちらを参考にしてください。
EVGA製品をamazon.com(アメリカ)で購入・個人輸入する方法
思ったこととか
よく冷えてくれているので、おおむね満足しています。
夏の温度管理が楽になるのは、大きな利点でしょう。
ただ、懸念があるとすれば、水漏れです。
私はEVGAのことを信用しているので、そんなに心配していませんが、怖いという方もいるでしょう。
どうしても心配であれば、空冷ファン搭載モデルを買うことをオススメします。
無理して買うのは、心臓に悪いですし。
2016/05/11追記
いつの間にか、製品カバー(シュラウド)のデザインが変更されていますね。
個人的には新しいデザインの方が好みなので、これから買う人がちょっとうらやましいです。